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先進国ポートフォリオのつくりかた その6

更新日時: 2007年05月28日


楽天証券で多くの海外ETF銘柄の取り扱いが開始され、世界分散投資の手段も多様化されてきました。それら海外ETFをどのように組み合わせて、先進国ポートフォリオをつくるのかを考えてみたいと思います。



ここでいう先進国ポートフォリオとは、MSCIがインデックス算出対象としている48ヶ国のうち、先進国(Developed Market)に区分されている23ヶ国全てに投資するポートフォリオのことを指しています。

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前回までのエントリで、ドルコスト平均法が正しく機能することにより、バリュー投資(的)な運用法は十分機能するとの結論となりましたが、唯一うまく機能しないシナリオを指摘しました。

ここまでの経緯は、以下のエントリをご覧ください。

先進国ポートフォリオのつくりかた その1(シンプルポートフォリオ)
先進国ポートフォリオのつくりかた その2(地域銘柄分散ポートフォリオ)
先進国ポートフォリオのつくりかた その3(バリュー投資(的)な運用可能性)
先進国ポートフォリオのつくりかた その4(バリュー投資(的)な運用法は機能するのか?)
先進国ポートフォリオのつくりかた その5(バリュー投資(的)な運用法が機能しないシナリオ)

今回は、バリュー投資(的)な運用がうまく機能しないシナリオへの対応も含めて、バリュー投資(的)な運用ルールについて検討してみたいと思います。

まず初めに、そもそもバリュー投資(的)な運用法は、タイミングを見計らった(投資家の相場観に依存した)運用方法ではありません。シンプルポートフォリオのドルコスト平均法と同じで、定期的に(例えば毎月)一定額をポートフォリオに資金投下します。

つまり、ポートフォリオ全体に対して(ポートフォリオ内部の配分は別として)定期的一定額の資金投下がなされるという意味では、シンプルポートフォリオのドルコスト平均法となんら違いはありません。

ただ、シンプルポートフォリオのドルコスト平均法では、先進国ポートフォリオのつくりかた その4で見たように「価格が高いときは少量を、安いときは大量に買い付ける」というドルコスト平均法のコンセプトと真逆のことがおこります。

バリュー投資(的)な運用では、ドルコスト平均法が機能するように、価格が高いときは少量を、安いときは大量に買い付けができるように、ポートフォリオに対する投下資金配分調整する、というだけです。

ポートフォリオに対して定期的に一定額を投下していくことはバリュー投資(的)な運用の大原則であり、その定期的な投下資金をどのように地域ごとに配分するのか?ということのみがポイントとなります。

すなわち、バリュー投資(的)な運用ルールを考えることは、投下資金をどうやって地域ごとに配分するのか?を考えることとなります。

それでは本題。

バリュー投資(的)な配分については、2つの方法を取り入れます。

1.(機械的に)一定金額を全ての地域へ定期的に投資する。(定期配分
2.相対的に安い地域へ資金投下する。(戦略的配分

バリュー投資(的)な運用 - 定期配分

まず、定期配分について説明します。

定期配分とは、定期的に一定額を全ての地域(4地域)に機械的に配分(投資)する配分方法です。

例えば、ポートフォリオを基準比率(例えば、北米50%, ヨーロッパ35%, アジア(除く日本)5%, 日本10%)で保有しており、定期的な投下資金(積立額)が10万円とした場合、(機械的に)北米へ5万円、ヨーロッパへ3.5万円、アジア(除く日本)へ0.5万円、日本へ1万円を投下します。

結果、それぞれの地域に対して定期的に、かつ定額が投下されることになります。(ポートフォリオ全体における地域ごとの投資比率も変化しません。)

定期配分をすることによって、時間の経過に比例して、全ての地域の投資元本が増加していきますので、結果的に先進国ポートフォリオのつくりかた その5で指摘した、バリュー投資(的)な運用が機能しないシナリオにも対応することができます。

だったら、シンプルポートフォリオに一定額を投資(積立)すれば同じ事ではないか、との指摘があるかもしれませんが、先進国ポートフォリオのつくりかた その4で指摘した通り、シンプルポートフォリオのドルコスト平均法は機能しませんが、バリュー投資(的)な運用における定期配分は、ドルコスト平均法がうまく機能します。

よって、バリュー投資(的)な運用における資金配分ルールとして、定期配分は重要な配分方法のひとつです。


バリュー投資(的)な運用 - 戦略的配分

次に、戦略的配分について説明します。

配分方法に関わらず、ポートフォリオは時間と共に、以下の3パターンいずれかに変化しています。

1.全ての地域が上昇している
2.地域ごとに上昇、下落、または横ばいが混在
3.全ての地域が下落している

バリュー投資(的)な運用の戦略的配分では、理論株価に対してではなくて、相対的に他地域よりも安い地域へ資金を投下します。

つまり、

ポートフォリオの変化資金投下する地域
1.全ての地域が上昇もっとも上昇率が低い地域
2.地域ごとに上昇、下落、または横ばいが混在もっとも下落率が高い地域
3.全ての地域が下落もっとも下落率が高い地域

ということとなります。

上昇率(下落率)が高い(低い)は、直近の資金投下時(毎月積立であれば前月の積立時)からの上昇率、下落率を用いて判断します。

また、戦略的配分は、資金投下する地域を1つの地域のみに絞る必要はありません。例えば、今回(今月)は北米と日本に資金投下しようとか、今回(今月)は、ヨーロッパ、アジア(除く日本)と日本へ資金投下しよう、であっても構いません。

ただ、ある回(ある月)は、どこにも資金投下せずキャッシュで保有しておこう、貯まったキャッシュは今後大きくどこかの地域が下落したときに投下しようという考えは(基本的に)NGです。

冒頭で説明した通り、ポートフォリオ全体に対して(配分は別にして)、定期的一定額を積立(資金投下)することはバリュー投資(的)な運用の大原則です。


バリュー投資(的)な運用 - 定期配分 vs 戦略的配分

大前提として、どちらの配分方法も全てのシナリオに対応はできません。

定期配分は、「今後は、長期的に基準比率(※)が保たれない(ある特定の地域が一人勝ちもしくは一人負けする)」との前提(シナリオ)において、戦略的配分よりも優れています(パフォーマンスが高くなります)。

戦略的配分は、「今後も、長期的に基準比率(※)が保たれる」との前提(シナリオ)において、定期配分よりも優れています(パフォーマンスが高くなります)。

※基準比率 = 例えば、北米50%, ヨーロッパ35%, アジア(除く日本)5%, 日本10%

よって、今後どのようなシナリオになるのかわからない以上、2つの配分方法を共存させることが得策です。

定期配分と戦略的配分は相互に排他的ではありません。双方の特性を理解した上で、定期的に投資する金額のうち、何割を定期配分に基づいて配分し、何割を戦略的配分に基づいて配分するのかを決定します。

ただ、そんなに難しく考える必要は無く、とりあえず50:50で考えておけばいいと思います。(なぜなら、今後どのようなシナリオになるのかわかりませんから。)

今後、何らかの事情によって定期配分と戦略的配分の比率を変化させても問題はありません。ポートフォリオ全体に対する投下資金が一定であれば、極論、定期配分と戦略的配分の割合は、積立時ごとに変化させても問題ないと思います。あまり意味はないと思いますが・・・


次回からは、具体的商品(投資信託)を用いて、地域別銘柄分散ポートフォリオを構築していきます。




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