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先進国ポートフォリオのつくりかた その4

更新日時: 2007年05月23日 | トラックバック (1)


楽天証券で多くの海外ETF銘柄の取り扱いが開始され、世界分散投資の手段も多様化されてきました。それら海外ETFをどのように組み合わせて、先進国ポートフォリオをつくるのかを考えてみたいと思います。



ここでいう先進国ポートフォリオとは、MSCIがインデックス算出対象としている48ヶ国のうち、先進国(Developed Market)に区分されている23ヶ国全てに投資するポートフォリオのことを指しています。

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前回の先進国ポートフォリオのつくりかた その3では、地域銘柄分散ポートフォリオは、MSCIインデックスの投資(構成)比率を保つためには、保有コストが安価なETFベースではなくて投資信託ベースで構築する必要があると説明しました。

さらに、地域銘柄分散ポートフォリオの4つの対象地域(北米、ヨーロッパ、アジア(除く日本)、日本)ごとにインデックス運用の投資信託が存在するのか?という懸念もあり(多分全ては無いと思われる)、場合によっては、対象地域のMSCIインデックスをベンチマークとする投資信託(アクティブ運用)を用いなければいけない可能性を指摘しました。

そうした場合、(仮にすべての地域でのインデックス運用の投資信託があったとしても)地域毎で銘柄分散しないポートフォリオ(シンプルポートフォリオ)よりも必然的に保有コストは上がるし、パフォーマンスが落ちる(一般に、長期的にアクティブ運用はインデックス運用に勝てないとされている)と思われ、そのコスト増加分+パフォーマンス下落分を正当化する理由として、投資信託ベースの地域別銘柄分散ポートフォリオにおけるバリュー投資(的)な運用手段の可能性について説明しました。

先進国ポートフォリオのつくりかた その1(シンプルポートフォリオ)
先進国ポートフォリオのつくりかた その2(地域銘柄分散ポートフォリオ)
先進国ポートフォリオのつくりかた その3(バリュー投資(的)な運用)

今回は、バリュー投資(的)な運用が実際に機能するのか?についてエントリします。

ここでは、定期的にポートフォリオへ追加資金を投入していく場合を前提とします。

ポートフォリオ構築をした後に、一切追加資金は投入しない(もしくはほとんどしない)場合においては、議論の余地も無く、0.1%でも保有コストの安い(はずの)シンプルポートフォリオの方が断然優れていると思います。

まず、シンプルポートフォリオ(地域毎に銘柄分散しないポートフォリオ)に毎月一定額で積み立てるドルコスト平均法の運用を考えてみます。

ドルコスト平均法では、定期的に一定金額を投資(積み立て)することによって、価格が高いときは少ない(口)数を、価格が安いときはより多い(口)数を購入することによって、取得価格が平準化される、という投資方法です。

シンプルポートフォリオ全体を(つまり、世界全体のマーケットを)ひとつのマーケット(金融商品)としてとられえば、一見、ドルコスト平均法はうまく機能するように思います。

しかし、シンプルポートフォリオの実態は、4つのマーケット(北米、ヨーロッパ、アジア(除く日本)、日本)の合成です。

つまり、4つのマーケットの価格変動の合成が、シンプルポートフォリオの価格変動を形成する、ということです。

それでは、シンプルポートフォリオのドルコスト平均法の運用を地域単位でみた場合、うまく機能しているのでしょうか?

答えはNoです。うまく機能するどころか、ドルコスト平均法とまったくのことが起こります。

例えば構成比率が、

北米:50%
ヨーロッパ:35%
アジア(除く日本):5%
日本:10%

シンプルポートフォリオがあり、このポートフォリオに対して毎月10万円づつドルコスト平均法で投資(積み立て)をする場合を考えます。

ある月に10万円を投資すると、地域ごとで見れば

北米に5万円
ヨーロッパに3.5万円
アジアに0.5万円
日本に1万円
---------------
合計 10万円

が投資されたこととなります。

そして翌月の積み立て時には、アメリカマーケットが下落し、日本マーケットが上昇し、

北米:45%
ヨーロッパ:35%
アジア:5%
日本:15%

というように比率が変化したとします。

そうするとその月の地域毎の投資額比率は、

北米に4.5万円
ヨーロッパに3.5万円
アジアに0.5万円
日本に1.5万円
---------------
合計 10万円

が投資されることになります。

なにかおかしいと思いませんか?

ドルコスト平均法では、価格が上がった場合は少量を、価格が下がった場合は大量の買い付けが行われるはずです。

しかし、シンプルポートフォリオのドルコスト平均法での運用を地域単位でみた場合、下落した北米地域への投資額は少なくなり(5万から4.5万)、上昇した日本への投資額は増えています(1万から1.5万)。

つまり、ドルコスト平均法とまったくのことがおこります。

すなわち、

1.より安い時期に沢山購入できる地域別銘柄分散ポートフォリオ+バリュー投資(的)な運用と
2.より高い時期に沢山購入してしまうシンプルポートフォリオのドルコスト平均法の運用

を比較した場合、前者(1)のほうが当然パフォーマンスはよくなるでしょう。

なぜならば、各々のマーケットのボラテリティ(リスク:標準偏差)が概ね10%~20%あると考えれば、投資信託ベースによるコスト増加(1~3%程度??※後に検証します)を十分吸収し、コスト高以上のメリット(リターン)を享受できる(はずだ)からです。

よって、今回のトピックであるバリュー投資(的)な運用は機能するのか?の結論は、十分機能する、とういうことになります。

ただ唯一、バリュー投資(的)な運用がうまく機能しないシナリオがあります。

それについては、対応策も含めて次回エントリします。



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